私を壊して そしてキスして
翔梧さんに「頑張れ」と言われて向かったその会社での面接は、終始和やかに進んだ。
「いつからこれますか?」
「それじゃあ……」
「採用ですよ。
あなたのような綺麗な方なら、受付で笑っていてくれればいいですから」
「えっ?」
こんなに苦労したのに、決まるときはあっさり決まるものなんだと驚いていた。
けれど、最初とは話が違った。
受付ではなく、事務職の採用に応募したからだ。
それでも、せっかく得た仕事だからとお世話になることにした。
そこは、前の会社と業務内容が一部被っていたところが魅力。
もしかしたら、自分の能力が役立つのかもしれないという期待があったからだ。