私を壊して そしてキスして

コンビニでサンドウィッチを買って、近くの公園でそれを広げる。

食べてみようと思ってこうして手にできることが、本当に進歩したと思う。
きっと、彼の根気強い説得のおかげ。


暖かな日差しの下で食べるそれは、思ったよりずっと美味しかった。

今度彼と一緒に、お弁当を持って……そんな風に考えている自分がおかしい。

彼のことを考えていると、とても穏やかでいられる。



食べきれそうになかったパンくずを近くの鳩に投げてやると、あっという間にそれはすごい数に膨れ上がり、慣れているのか私の近くまでやってきて、もっととねだっているようだ。


少しずつちぎってそれを撒くと、一斉にそっちに向かう鳩たち。

そして、私の手からすっかりそれがなくなってしまうと、今度は一斉に飛び去って行った。



< 155 / 372 >

この作品をシェア

pagetop