私を壊して そしてキスして

そんなことをしていると、ムカムカすることなく食事の時間をやり過ごすことができた。

吐かなくていい。
それは私にとって、かなり大きなストレスを軽減できる。



休憩時間の少し前に受付に戻って、またお客様を迎え入れる。

時折、自社の社員が出ていくときに、私の顔を見て何やらひそひそ話しながら出ていくのが気になった。


「ねぇ、君」

「はい」


それが社員に話しかけられた最初の言葉。


「君、新しい受付さん?」

「はい。そうです。初めまして、香坂です」


初めて自分の名前を言ったかもしれないななんて考えながらお辞儀すると、すぐに口を開いたその人。



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