私を壊して そしてキスして
それから一週間は、憂鬱との闘いだった。
折を見て営業部を覗いたけれど、あの人は見つからない。
名前すら聞くのを忘れてしまったあの社員を捕まえなければ始まらない。
翔梧さんは、あれから何も言わなくなった。
ただ、やっぱり時々戻してしまう私を見て、心配そうな顔をしていて、眠るときは必ず強く抱き寄せてくれていたけど。
彼は辛抱強く、私の進歩を見守ってくれているのだと思う。
そして、5日目にして、やっと玄関を通りかかったあの人を見つけた私は、慌てて駆け寄った。
「すいません!」
思わず大きな声が出てしまったけれど、それくらい待ちわびていたのだ。