私を壊して そしてキスして
「なんだ、また君か?」
「先日の件で。私、やっぱり……」
「あぁ、金曜は6時にここで待ってて。
森さんもここにいらしてくれるそうだ」
森さんというのが、あのメーカーさんの名前なのだろう。
「私、お断りしに来たんです」
「はいはい。もうそんな話は聞かないよ。これは業務命令だ」
「そんな……」
「香坂さんだっけ?」
「はい」
「あんたも社会人のプライドがあるなら、仕事は引き受けなよ?」
鼻で笑いながらそういう彼に腹が立ちつつも、それならと闘志に火が付いた部分もあって。
それ以上何も言わず去って行った彼を見送りながら、私は腹をくくった。