私を壊して そしてキスして

「こんにちは」


コーヒーを持ってきてくれたのは男性の人。

そういった仕事は女の仕事だと、なんとなく決まっていた前の会社とはえらい違いだ。
それでも、翔梧さんは手伝ってくれた方で、何もしない男子社員の方が多かった。


「あっ、ありがとうございます」


慌てて立ち上がってお礼を言うと、びっくりした顔で私を見つめるその人。
「ご丁寧に」なんて笑いながら部屋を出ていく。


「あはは。ここでは手の空いている人がなんでもするんだよ。
今までの会社じゃ信じられないでしょ?」


平井さんの言葉に深く頷く。



< 218 / 372 >

この作品をシェア

pagetop