私を壊して そしてキスして
翔梧さんと同じように、紳士に見える平井さん。
どことなく醸し出す雰囲気が似ている気がする。
「ここは、学生の時、翔梧と一緒に立ちあげた会社なんだよ。
だけど、社長を俺に押し付けて、自分はさっさと別のところに就職してさ。
ま、そのおかげで、いろんな視点からものを見られるようにはなったけどな」
「そうなんですか?」
「あれ、それも言ってない?」
知らなかった。翔梧さんがそんなことをしていたなんて。
「翔梧の知識がいろいろと役立っている。
会社を経営するということは、どういうことか。
従業員を束ねるためには……みたいなことは多分、大きなところで経験してきた翔梧が上だな」
フッと笑いながら翔梧さんに視線を送る平井さん。
それなのに、表情一つ変えない翔梧さんが少しおかしい。
きっと照れているのに……。