私を壊して そしてキスして

そのままさっきの部屋に戻って、さっそく紹介される。

一度たりとも紹介されなかったあの会社とは全く違って、私の居場所がすぐにできそうでうれしい。


「香坂です。よろしくお願いします」

「よろしく!」


たくさんの声と温かい拍手。


「歓迎会いつにしましょう。今日?」

「あほか。突然そんなこと言われたって困るだろ。ちょっと慣れてからだ。
お前が呑みたいだけだろう?」

「バレてる」


あははと笑い声が広まるその空間。


「とにかく、いろいろ教えてやってほしい。
橋本、抜かれないように気をつけろ」

「俺っ?」

「そう、俺」


クスクスを笑い声が広がる。




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