私を壊して そしてキスして

「私はね、家元の嫁だけど、その前に翔梧の母なのね。

あの子が嫌なことを無理やりやらせるのが嫌だった。
だから逃げたすのを知っていて、放っておいたりしたものよ。
あの子には自由に飛び回ってほしいの」


すごく器の大きな人だ。
だけど、母となると人はそうなるのかもしれない。


「そのうち、学生時代からさっさとお友達と会社を立ち上げたりしてね。
だけど、私は、それが誇らしかった。主人には内緒ね」


いたずらっ子のように笑うお母様に、何時しか私もリラックスしていて。


「翔梧さんが、あんなにたくましいのは、お母様のおかげですね」

「うふふ、そうね。
継がないなら、自分で生きていきなさいって、突き放したから」


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