私を壊して そしてキスして

そのまま、何も言わずに車を走らせる彼。

彼の部屋に入った瞬間、彼に抱きしめられた。
強く、強く――。


「よく、頑張った」


この人がいてくれなければ、私はどうなっていただろう。

耐えられなかったかもしれない。
あんな決定的な現場を目の当たりにして。



「翔梧さん、もっと、もっと強く抱きしめて――」


私を壊して――。

今までの、私を――。


彼の匂いを近くで感じる。
少し速い鼓動さえも。



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