バイナリー・ハート
 すると気配を感じたのか、ユイが振り返った。


「ロイド? 帰ったの?」


 それと共にランシュは、何食わぬ顔でユイから離れる。
 ユイは立ち上がって、こちらにやって来た。


「おかえり。お疲れさま」
「あぁ。だだいま」


 ユイの笑顔にホッとしながら、ランシュを睨む。
 ランシュは余裕の笑みを浮かべ、


「おかえりなさい、先生。オレ、先に休みますね」


 と言って、横をすり抜けて行った。

 ランシュが部屋に入るのを見届けて、ロイドは自室に荷物を置き、風呂へ向かった。
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