バイナリー・ハート
 ロイドはテーブルの上にひじをついて身を乗り出すと、ユイの顔を覗き込んだ。


「おまえ、その子を見て子供が欲しくなったのか?」
「え?」


 ユイは一瞬目をしばたたいた後、クスクス笑い始めた。


「あぁ。確かに、できたら子供は欲しいけど、その子そんなに小さい子じゃないわよ。王子様と同じくらいじゃないかな」

「じゃあ、充分大人じゃないか」

「そうね。でも笑った顔があどけなくって、かわいいの。きれいなプラチナブロンドにブルーグレイの瞳でね。色白ですごく華奢だから、最初女の子かと思っちゃった。背は私と同じくらいなんだけど」


 ユイの告げた容姿に酷似した人物をロイドは知っている。



「そいつの名前は?」
「ベルよ。ベル=グラーヴ。カードの名前はそうだったわ」

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