騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「じゃあ、加藤は俺の代わりに店の方を頼む」
「はい……」
本当に大丈夫かなと心配になりながら返事をした。
そんな心配を余所に仲森さんは、段ボールをもう一つ持った。
片足を引きずりながら……
「あら?私には代わってやるって言わないのね」
「体力有り余っているお前に言うか」
「こーんなにか弱い女の子にそんなこと言うのか!」
「何処にか弱い女の子がいるんだよ」
「失礼ねー!ここにいるじゃない。ここに!」
わたしは片足を引きずって歩く仲森さんを見て胸が痛んだ。
これは罪悪感……?
何て言えばいいんだろう。
辛くて泣きそうになった。
仲森さんの足……
やっぱりまだ治ってなかったんだね……