騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「すみませーん」
「あっ、ほら。麻菜ちゃん。お客様が呼んでるわよ」
「あっ、はーい」
声をかけてきたのは、二十代前半の二人組、本日最初のお客様だった。
「はい、お呼びでしょうか?」
「あのー。これ、試着していいですか?」
「はい、試着室はあちらになります」
女性二人が手にしていたのは、早速STAR-MIXのワンピースだ。
若い女性をターゲットにしている商品で、まずまずといった反応。
「わぁー!これサイズぴったりだぁ」
試着を終え、ニコニコと満面の笑みを浮かべたロングヘアーの方のお客様が言った。
「いつもの商品と少し違うんですね」
「そうなんですよ。こちらはSTAR-MIXの商品でして、STAR☆より小さめのサイズをご用意しているんです」
「だからなんですねー。いつも大きすぎて、買えなかったんですけど。これなら良さそうです」
そのお客様は嬉しそうに、「これ買います」と言った。
初めて売れたSTAR-MIXの商品は、当店一押しのワンピースだった。