騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~

3.思わぬ再会




髪を整え、メイクもばっちり決めて……




「よし、出来上がり。今日は初日なんだから、気合い入れていこう」


パシパシと頬を叩き、気合いを入れなおした。




最寄りの駅から7つ先の駅まで地下鉄で向かう。


たぶん始めは、地下鉄って複雑だしジョン一人だと迷うと思ったんだけど、昨日も行ったばかりだから大丈夫だと思ってジョンとは別に家を出てきた。




それなんだけど……


「麻ー菜ー!」


朝から元気すぎるわたしの名を叫ぶ声を聞いたと思ったら、突然思い切り抱きつかれた。


もちろん抱きついたのが誰かなんて、顔を見なくても分かる。




「ちょっと、ジョン!何するのよ!離れなさい!」

「え~?いいじゃん。僕と麻菜の仲なんだし」

「どんな仲よ。朝から暑苦しいったらありゃしない」



ベットリわたしに抱きつくジョンを冷めた目で見つめながら、ベリッとその絡まる腕を剥がした。


全く……朝から面倒くさい人。






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