騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「何が違うんだよ、麻菜。俺たち、よく知った仲じゃないか」
わたしの頭に手を置いた仲森さんが、またしてもこんなことを言う。
「違うのは仲森さんです!わたしに触らないでください!」
バシッと彼の手を叩いて、早足でその場を立ち去った。
意味分かんない、意味分かんない。
どうして仲森さんはあんなことを……
わたしは仲森さんに近づいてはいけないのに。
近づく資格なんてないのに。
どうして仲森さんは、土足でわたしの心に踏み込んでくるんだろう。
でも、わたしは突き放すことしか出来ない。
だって、わたしは……
あなたに近づいちゃいけないから。