騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「あ、あの……流川さん」
「なに?」
さすがにこれ以上一緒にいるのは危険だ。
今の私はこれ以上一緒にいたら、この甘い雰囲気に流されてしまう。
「酔ってます?」
「そうだね。酔ってるかも。君に」
そういう意味で聞いたんじゃない!と反論したかったけれど……
体は素直なようだ。
きっと今のわたしは顔が真っ赤だったに違いない。
こんなのわたしのキャラじゃない……
「ごめん。そろそろ出ようか。これ以上いたら俺がヤバい。麻菜ちゃんを本能のまま潰してしまいそうだ」
流川さんが途中でやめてくれたことにホッとしているわたしがいた。
きっと彼があのまま暴走していたら、わたしも流されていたに違いない。
どうしても二人が重なって、全力で拒否することが出来ないのだ。