騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
3.今は違う
流川さんが「これから攻める」と言ってからというもの。
彼の行動は早かった。
「麻菜ちゃん、今日これから飲みに行かない?」
仕事が終わった頃、流川さんがやって来てわたしは誘われていた。
流川さんって結構積極的……
「えっと、あの……」
しっかり断らないと。彼の雰囲気に流されちゃダメ。
危険だと分かっているのに、どうしても断れないんだ。
「それとも時間ない?」
「あっ、いえ。時間はありますけど……」
「じゃあ、決まりね。麻菜ちゃんが終わりまで待ってるから」
「あっ、わたし……今終わったとこなので」
「じゃあ、準備しておいで」
流川さんを待たせるわけにはいかないので、急いでスタッフルームに向かった。