騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「本当は家の前まで送って行きたいけど。今の俺じゃ、送り狼になりかねない」
「えっ、る、流川さん!?」
「ははっ、冗談冗談」
今の流川さんに言われても、冗談に聞こえないんですけど。
「あっ、それと。これから攻めてくから。覚悟しといて」
再び意地悪な笑みを浮かべる流川さんに頭を下げて別れ……
早足でマンションの中に入って行った。
そして、部屋に入る時に見えてしまった。
「え……」
わたしが家に入るのを見守っていてくれた流川さん。
どうしよう……
違う、流川さんは彼じゃない。
分かってるのに、体が言うことを聞かない。
この胸のときめきは……
どっちに対してのものなんだろう。