騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
4.違うぬくもり
“じゃあ、今度の土曜14時に迎えに行くから”
先日送られてきたメールを眺めて、溜息が漏れた。
このメールが送られてくる数日前に、ある人物からデートに誘われていたのだけれど。
結局断れずに、OKしてしまったのだ。
ある人物とは、最近何かと絡んでくる……
流川さんだ。
自分がどうしてOKしてしまったのかも分からないし。
こうして今、自宅で彼を待っているのかもどうしてか分からない。
「はぁ……」
もう一度溜息を吐いた時、再び着信を知らせるバイブ音が響いた。
開いてみると、やっぱり流川さんからで。
“今着いたよ。下で待ってる”
それからすぐに、薄手の上着を羽織って家を出た。
下に行くと、流川さんの車と思われるブルーの車がマンションの前に止まっていた。
近づいていくと、助手席の窓が開いて。