騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~



貸してもらった服に着替え、再び流川さんのいるところへと戻っていくと。

何やらお友達と会話がはずんでいるようだった。




「あっ、麻菜ちゃん。終わった?」


わたしの姿を見つけると、会話を中断してこちらを見た流川さん。




「あの、玲さん。ありがとうございました」

「いいのよー。またいつでも遊びに来てね」

「はい、またすぐに服返しに来ますね」


それじゃあと、玲さんたちに別れを告げて、バーの外へと出た。




「麻菜ちゃん、家まで送るよ。あっ、雨もいつの間にか止んでるね」


さっきまであんなに降っていた雨が、もうすっかり止んでいる。


今日は秀ちゃんのあんな場面を目撃して落ち込んでいたけど。


流川さんに会って、それが少し和らいだ感じがする。






「ねえ、麻菜ちゃん」

「……はい?何ですか?流川さん」






< 365 / 519 >

この作品をシェア

pagetop