騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「さっきのこと……さっき何があったのか、聞いてもいい?」
流川さんの問いにわたしは答えることが出来ない。
秀ちゃんと幸さんのことなんて。
「いえ、何でもないんです。ただ、傘忘れちゃっただけで」
「……そっか。それ以上は何も聞かないけど、何かあったらいつでも言って」
「あっ、ありがとうございます」
流川さんの優しさが、すごく温かくて。
それだけで嬉しかった。
「あーあ、こんな思いするなら、さっさと伝えておけばよかったなぁ」
「え?何をですか?」
「だから、麻菜ちゃんのこと好きだって」
「……え?ええええ!?」
「ははっ、やっぱりいい反応してくれるね」