騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
4.温かい家族
ついに約束の日曜日がやってきた。
「秀ちゃん、やっぱりわたし……」
あれから何回も彼の実家に行く決意をしたか分からない。
その度にやっぱり無理だと断念して。
ついにその日が来てしまったのだ。
「麻菜、何度も言ってるけど。大丈夫だから」
「おじさんとおばさんは、今日わたしが来ることを知ってるの?」
「いや、言ってないから」
「え……だったら……」
「本当大丈夫だから。親父もお袋も麻菜がいなくなって寂しがってたし」