騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
すぐにガチャッという音とともに玄関の鍵が開いた。
そっか。
おばさんは、鍵を開けに来てくれたんだ。
「早く入りなさいよ、秀平」
「ああ、今行く」
「それにしてもお正月でもないのに突然帰ってくるなんて、どうしたのよ」
「会わせたいヤツがいてさ」
玄関のドアを持ったまま、なかなか入れずにいたわたしをちらっと秀ちゃんが見た。
変わってなかったな、おばさん。
少ししわが増えたくらいだった。