騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~



おばさんとおじさんはわたしがアメリカにいたことを知っていた。

わたし、一度も話さなかったのに。



「実はね、麻菜ちゃんのお母さんから聞いていたのよ。麻菜ちゃんも一緒にアメリカに行ったって」

「そうだったんだ……」

「麻菜ちゃんのお母さんとは、アメリカに行ってからも何回か連絡取り合ってたのよ」


全く知らなかった。

お母さんもおばさんと連絡取り合ってるなんて言ってなかったから。



「ていうか、親父もお袋も麻菜がアメリカに行ってたこと知ってたんなら俺に教えろっての」


そうか。

ということは、この家でずっと知らなかったのは秀ちゃんだけということになるんだ。





< 408 / 519 >

この作品をシェア

pagetop