騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「あの時の会話で麻菜ちゃん誤解しちゃったのかもしれないけど。あの時、実はね」
それから幸さんは教えてくれた。
あの時、秀ちゃんと何を話していたのか。
「秀平ね。麻菜ちゃんをアメリカに戻さないように、色々裏で手をまわしていたみたいよ」
「え?」
「もう麻菜ちゃんを離したくなくて必死だったみたい」
ふふっと笑って、幸さんは言った。
その時、ふと昨日の彼の言葉が蘇ってきた。
「たぶんそれは、麻菜がアメリカに帰りたいって言ってもそれを俺が……って」