騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「あっ、薫くんってわたしの彼のことよ」
「えっ!溝口先輩!?」
溝口先輩って、薫っていう名前だったんだ。
秀ちゃんも名前で呼ばないから、初めて知った。
「ほんとうに、ごめんね。麻菜ちゃん」
「あっ、いえ!わたしが勝手に誤解していただけで……」
本当に恥ずかしい。
一人で勝手に誤解して、騒いでいただけなのに。
「それに私と秀平がスタッフルームで話してたことも聞いてたんだって?」
「あ、はい……」