騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
2.彼の夢のためなら
12月20日。
もうすっかりクリスマスモードで、周りの皆も浮かれ始めていた頃だった。
幸さんから仕事終わりに声をかけられ、そのまま彼女の新居にいくことになった。
「幸さん、わたしがいってもいいんですか?」
もうすぐ結婚する二人の邪魔になるのではと思ったけれど。
強引な幸さんに負けて、結局二人の新居へと足を運んだ。
「いいのよ。それに薫くんが麻菜ちゃんに話があるみたいなの」
「え?溝口先輩が?」
「そうよ」
溝口先輩がわたしに……
一体何のようなんだろう。