騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~



「ふふっ、薫くん。麻菜ちゃんにオジサンみたいって言われてるわよ」


かなり小声で囁いたはずなのに、幸さんには聞こえていたみたいだ。

しかも先輩に言うことないのに。



「は?オジサン?加藤、そんなこと言ったのかよー?」

「あっ、いえ!滅相もない!ク……じゃなかった。先輩、お邪魔します!」

「かーとーおー?」

「……まだ呼んでないじゃないですか」


思わず、クマさん先輩って呼ぶところだった。

まだ高校のときの呼び方が抜けてないみたい。




「え?なに?どういうこと?」


訳が分からないという幸さんに先輩のあだ名を説明した。

先輩は必死にそれを食い止めようとしていたけど。





< 478 / 519 >

この作品をシェア

pagetop