騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「わたし、実は先輩のこと昔、クマさん先輩って呼んでたんです」
「ぷっ、クマさん先輩!?」
「はい、クマさんみたいに大きい、ぷぷっ、ので」
「ははっ、確かに。クマみたいね」
溝口先輩をちらちら見ながら、わたしたちは笑いをこらえることが出来なかった。
「お前ら……勝手に笑ってろよ」
結局、先輩は拗ねてしまって、それを見てわたしたちはまた笑った。
「あっ、薫くん……じゃなくて、これからはクマ男くんって呼ぼうかしら」
「……それは止めてくれ」
「あら、いいじゃない。クマ男くん」
「だから、止めろって」