騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
去り際にあっと思いついたように、後ろから幸さんの声が聞こえてきた。
わたしにも宿題って……一体何を……?
「一日50回、ウイスキーって言うこと。笑えるまでね。これが宿題」
「一日50回!?しかもそれが宿題って……学生じゃないんだから」
「あら?何かおっしゃって?」
「……いえ。何も」
花のように笑う幸さんが、今は黒い負のオーラを纏いながらわたしに微笑んでいた。
こわ……っ!
幸さん、それ……逆に怖いから……!
「あっ、そうそう。今、一人で店に残ってるあの鬼上司にも同じ宿題出しといたから」
「え……?」
「それじゃあ、また明日ね」
最後に意地悪そうな笑みを浮かべた幸さんが、軽く手を上げて去っていった。
え……っと、ちょっと待って。
今、幸さん……一人で店に残ってるって言ったよね……?