騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「もしかしたらあの人、麻菜に気があるのかも。気を付けて」
「……まさか。それはないよ」
「どうだかね。じゃあ、店長に誘われてるから、僕はそろそろ行くね」
ジョンがまた変なことを言うもんだから、可笑しくて笑ってしまいそうになった。
それと同時に切なさもどっとわたしを支配する。
仲森さんがわたしに気がある、か……そんなことあるはずないのに。
「あっ、お疲れ様です」
「あら?あなたはまだ残っていくの?」
何処で待っていたら分からなくて、あちこちウロウロしていると、ちょうど帰る幸さんと出くわした。
スラッと背の高い幸さんが、カツンカツンと音を立てながら近づいてくる。
「え、あ、まぁ……。もう少し残っていこうと思って……」
「そう。初日から頑張るわね」
まあ、本当に仕事していくわけではないんだけどね。
「あっ、そうそう。あなたにも宿題、出しておかないとね」
「宿題……?」