騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
仲森さんから話があるって言ってたから、てっきり文句の一つでも言われるかと思って身構えていたのに……
予想していた話の切り出しとは違って……。
「あっ、えっと……お久しぶりです」
何て反応していいかわからなくて、返答にまごまごしてしまった。
ねぇ、秀ちゃん。
わたしのこと恨んでないの?怒ってないの?
「まさかアメリカに行ってたなんてな……驚いたよ」
「え、あっ……それは……」
どうしたらいいの……どうしたら……焦って言葉が出てこないよ。
彼は俯いたままのわたしに一歩近づくけれど、わたしはその分後退して距離を空けた。
「しかももう会えないと思ってたのに、またこうして上司と部下として再会するなんてな」
「あっ、えっと……」
「もしかしてとは思ってたけど、俺の思惑通りだ」
「え……?」
何が……?そう聞きたかったんだけど……
その言葉は仲森さんの意外な行動によって、消されてしまった。