大地主と大魔女の娘
とんでもない二者択一だ。
恐らくここで選ばねば、いつまでも彼のおもちゃからは解放されないだろう。
消去法でいくならばしぶしぶフルルの方で、と呟かずにはいられなかった。
その答えに満足したのか、彼はにっこりと満面の笑みを見せた。
ぽん、ぽんと頭を軽く叩かれる。
どうあっても彼にとって私の位置は飼い犬のようだ。
ただ尻尾が無いだけで、人の言葉を話す犬にしか見えていないのだろう。
「じゃあ、フルル。ご主人様のお部屋までお茶とお菓子をお届けして、お客様(ボ ク)のおもてなしをしてね?」
そう言い置くと片手をひらひらさせながら、立ち去って行った。
その背をぼんやりと見送りながら、髪を撫で付けて整える。
せっかくお姉さん達がきれいにまとめ上げてくれていたのに、台無しだ。
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見た目も口調も軽やかな方だ。
そしてふるまいも。
きっと何もかも思うように、自由にして良いご身分なのだろうと推測する。
適当に名乗れば良かったのだ。
あんなお方に生真面目に対応してしまった己こそ、馬鹿だと思った。