花
「こんな時間に、何してんの?
…つか、それは そっちの台詞か 笑」
屋上で夕日に照らされて、貴史は綺麗に微笑った。
「…そう、だね 笑
宗谷くん、こんな時間に ここで何してるの?」
相変わらず穏やかな、落ち着く空気感に、
和は思わず貴史を救おうと する事も忘れて、普通に話してしまっていた。
「夕日、見てた。
こっから見える夕焼け…、
奇麗でしょ?」
貴史も いつも通りのトーンで、
和から夕空へ目を向けると、言った。
「…ホントだ…。
…キレイだね」
和も貴史から空へと、視線を移して言った。
夕焼けは、
貴史も和も学校も街並みも、全てをオレンジ色に染めていて、
人間の力では どうする事も出来ないような その壮大さが、
涙が出る程 美しい景色だと、思った。
その気持ちと、貴史に対する気持ちが合わさって、
理由も無く泣きそうに、なる。
「…………」
「…………」
ただ苦しくて、しかし心が洗われて行くようで、
和は黙って、貴史と並んで夕日を眺めていた。
貴史も ずっと黙ったまま、そこに居た。