花
「…宗谷くん?」
「ん…何?」
「…呼んでみただけ 笑」
「何それー 笑」
「…宗谷くん?」
「はいはーい」
「…宗谷くんって、時々 可愛いよね…」
「時々!?笑
つか、可愛くねーし 笑」
それから あなたは、
私の意味の無い呼び掛けにも ちゃんと全部 答えてくれて、
楽しそうに笑ってくれた。
「ねぇ…宗谷くん?」
「何、何ー?」
「月が、出てるよ」
「…ほんとだ」
「きれい、だね」
「だねー」
月は あなたの表情を、
優しく照らして くれていた。
綺麗な その横顔を、
私は穴の開く程、見つめていた。