「宗谷くんは…、自分は消えるのに、

深谷くんにも、私にも、普通に生きてて欲しいって、言うの?」




「……」






「そんなの、ずるいよ…」




私は こんなにも、あなたに気持ちを伝えているつもり、なのに。




あなたは困ったように私を見て、何かを考えて、

ゆっくり口を開いた。






「あんたの気持ちは嬉しいよ。


だけど…」




「…だけど…?」






それから暫く口を閉ざしたままの あなたは、

何かを決心したような表情に、見えた。




次の瞬間、

今までの緊迫した空気を どうしてしまったのか、

いつもの、穏やかな優しい空気を纏って、言った。






「…いや、何でもない!」




「何でも…ない?」




そんな言葉を信じる事は出来なかった けれど、

何かが吹っ切れたかのような あなたの その表情に、

私は何も言えなくなった。





< 137 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop