花
月が空の真上に見える頃、あなたは帰って行った。
私が ちゃんと家に入る所まで見届けて、
「またね」
って言って、笑った。
「…また、明日、学校でね!」
1音1音、強調しながら私が言うと、
あなたは苦笑して、それでも ちゃんと はぐらかさずに、答えてくれた。
「…また、明日、学校でね」
あなたの笑顔が月の光に溶け込んでしまいそうに綺麗で、
私は すぐ家の中に入ってしまったのだけれど、
気付かれないように、そっと窓から
遠ざかって行く あなたの後ろ姿を、眺めていた。