花
次の日、
あなたは学校に ちゃんと来てくれていた。
私を見つけると、
「昨日は、さんきゅ」
って、
ファンクラブの女の子達が見たら、
失神してしまうんじゃないか と 思うような笑顔で、言った。
「う、ううん。
こちらこそ、ありがとう…」
そう言うと、
もう1度 綺麗な顔で にこって笑って、あなたは立ち去った。
甘い香りが残って、
私は一瞬、あなたが あれから女の子と一緒に居たのではないか と 思ってしまった けれど、
そう言えば あなたの香りは、女の子みたいに甘かった事を思い出して、また少し安心した。
安心感と、その優しくて甘い香りに頭が ぼんやり として、
私は しばらく、
あなたと話していた と いうのにファンクラブの女の子達が何も言わなかったばかりか、
突き刺さるような視線すらも感じなかった事に、気付かなかった。