そう言うと、あなたは また困ったように眉根を寄せて…、

もう1度 絞り出すように言った。






「…無理。


最後でも最初でも…、たった1つでも」






―ああ、あなたは やっぱり優しいのだ と、頭の隅で考える。




その答えは私にとっては残酷だけれど…

でも それを分かっているから、あなたは こんなにも迷って…

苦しそうな顔で、答えを告げるの。




…あなたは優しい。




悲しいくらいに――。





< 156 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop