花
「何で…」
「ん?」
しかし、次の瞬間、
折角 我慢して居たのに、和は一度 飲み込んだ言葉を、出してしまった…。
「何で、私なんかに…笑い掛けるの?」
「……何、それ」
その言葉は、確実に貴史が好みそうに ない言葉だと、思った。
しかし、一度 出てしまった言葉は、止まる事を知らなかった。
「…何で、
他にも話し掛ける人いっぱい居るのに、私に話し掛けてくれるの?
何で、私なんかに…。
私なんか、
放っといてくれて良かったのに」
「……………………」
貴史が怒りそうな事を言っているのは、分かっていた。
しかし、口は止まらなかった。
次から次へと言葉を吐き出す和に、貴史は黙ったまま だった。
その表情は、少し悲しそうにも、見えた。
暫くして、和が全てを吐き出すと、貴史は静かに言った。