4月1日の偶然少年A。
外に出ると今日は少し曇っていた。
日差しが容赦なくふりそそぐあの天気よりはマシだ。
日ごろ外にでない俺にはすこしつらい。
頭がくらくらする。
前をいそぐ琴葉のあとを追い、交差点に向かいながら
先週のあの気分を思い出した。
ありえないこと見舞われ気が狂いそうだった。
それは今も同じはずだが少し慣れてしまったらしい。
バスにひかれた曲がり角とは逆の方向にまがり、
少しうす暗い空気のよどんだ路地裏に入る。
情報ではこのへんのはずだ。
「あ、あれ何?」
前で琴葉が立ち止まりそういって何かを指差した。
空はそれを目で追って琴葉が指差すものを見た。
そこにはなにやら凶器らしいものが散らばり
いくつかは血のような色がこびりついて錆びていた。
「まさか、俺みたいになってたりしてな」
とくに深い意味もなくそう呟く。
嫌な事いわないで、とばかりに琴葉は少し俺をにらんだ。
「進まないか?ここにあのちびっ子はいないし」
俺がそういうと琴葉はこくりと頷いた。
さらに薄暗い路地裏をすすむ。
いつもはゴミが散乱している路地だが今日はなんだかきれいだ。
そんなことを思っているとちらっと赤い何かが視界に入った。