孤高の魚
……何だ?
この、違和感は。
空気がどんどん張り詰めていく。
カタカタカタカタ……
カタカタ……
彼女が右手に持つ二本の箸が、テーブルに当たって微かに音を発している。
………
「……大丈夫?」
僕の口から咄嗟に、そんな言葉が溢れた。
……彼女の様子がおかしい。
いったい、どうしたのだろう。
カタカタ……カタカタ……
彼女の震えは、まだ止まらない様子だ。
それどころか、徐々に大きくなっていく。