孤高の魚



「ありがとう、アユニ。
……嬉しい」


そんな彼女の柔らかい言葉は、僕をさらに楽な気持ちにさせた。


自分の素直な気持ちや言葉が、こんなにもすんなりと透明に、自分にも相手にも沁みる事があるものなのか。

僕は多分、今まで、こんな気持ちを知らずに生きてきた。


この……

足の先から痺れが来るような、淡い幸福感を。




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