孤高の魚
『一緒に』
そう彼女が僕に求める度、僕は喜びで胸が一杯になる。
『力になる』
そう言った僕の傲慢な約束が、少しづつ、彼女によって結ばれていく様な、幸福な感覚に満たされるのだ。
……なんて単純なんだろう。
僕は。
一概に、恋というものは確かにそうなのかもしれないけれど。
だとしても、それに気付かされてからの僕は弱い。
彼女の一挙一動、一言一句にドクドクと心臓を踊らせる事になる。
こんな気持ちはもう、随分長い間忘れていた。
蘇った僕の少年の様な想いを、実際、自分でもどう扱えばいいのか分からないでもいる。