孤高の魚



「わたしに? いいのよ。
言ったでしょう? わたし、クリスマス、嫌いなの」


テーブルを拭くための布巾を畳みながら、彼女もやはり、どこか酔いきれていない様だ。


「そう?
……でも、そのネックレスはとっても綺麗だよ。
君に似合ってる」


……『でも』?

もしかしたらどこか、嫌味のある言い方になってしまったのではないかと焦る。


『僕にだって、それくらい君に似合う物を選べるはずだった』


そんな風に聞こえてしまわなかっただろうか。




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