孤高の魚



「何か、話してよ、アユニ。
新幹線に乗ってからずっと、黙ってるんだもの。変なの」


昼食をとるために入った駅前のファミレスで、注文したメニューを待ちながら、彼女は恥ずかしそうに笑った。

僕は野中七海を気にするのに精一杯で、あえて黙っていたつもりはなかったのだけれど、彼女には不自然に捉えられてしまったらしい。


「そうだね。
うん……それなら、これからの予定を、立てようか。ただやみくもに、探すわけにはいかないし。
どこか、心当たりがあれば」


……心当たり。
もちろん、歩太の居場所の事だ。


………


「行きたいところは……もちろん、あるの」


フウ、と、彼女は大袈裟な深呼吸をする。

その呼吸音は、混み合った店内の雑音にすぐに吸い込まれた。


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