歩み
学校が終わり、生徒たちが自分たちの所属する部活で活動する時間。
俺はまだ教室に残っていた。
部活をする気になれなかったんだ。
まだあの言葉が俺の中を浮遊している。
たまたま教室で課題をしていた塚本明日香。
俺は塚本明日香に助けを求めようと手を差しのべた。
これが原因だったのかもしれない。
俺は本当にバカだ。
「どうかした?歩くん」
教室には俺と塚本だけ。今ならチャンスだと思った。
明日香の隣に座り沈んだ表情を見せないように、下を向いて、何と言おうか考える。
「元気ないね?」
「…なぁ、どうして沙紀は司と付き合ってるの?最初はどっちが好きになったの?俺、もう分かんないよ…」
自分でも分かる。
自分がどれだけ弱気なのか。
言葉を聞いていれば明日香にだって伝わるはずだ。
「…沙紀の話なら、私聞きたくないかも…。ほら、前に言ったでしょ?私の気持ち…。歩くんは沙紀のこと…好きなの?」