歩み


望んでいけないなんて、そんなの平等じゃないよ。
神様は俺たち人間に平等な価値を与えてくれたはずだろ?

望んでも、いいよね…。


俺は翌日の休日、二日間ずっと部屋に閉じ籠っていた。
部屋を出るときは食事とトイレのみ。
富田と顔を合わせないように、富田が留守中に部屋をこっそり出るのだ。
こんなことをしても意味ないのだけれど、一人になりたかった。


自分の価値を探していた。
どうせ探しても意味のないことだけど。



…休日が明けて、また一週間が始まる。
始まりの月曜日。


この日、運命が大きく動き始めた。



毎朝かかってくる富田からの電話は7時を過ぎてもなかった。
いつもなら7時前にかかってくるのに。


俺はベッドの中で携帯を触りながら、違和感を感じる。
嫌だとずっと思っていた電話がいきなりなくなると寂しく感じる。


人間って不思議だな…。


「なんでだ?」



体を起こして、掛け時計を見る。
やはり時計の針は7時を過ぎている。


間違いなんかじゃない。
テレビを付けると、テレビの時計も掛け時計と同じ時刻を示しているから。



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