歩み


こちらからでは司の顔しか見えない。
司の顔に浮かぶ表情が、今まで見たことのない表情だった。

言葉に表せられないくらい、怖い表情。

どうしたのだろうか?


司の話に相槌を打つ明日香。
明日香の顔までは見えないけれど、あの後ろ姿は明日香に違いない。


二人の会話が聞こえないのが悔しいけど、聞きたくないと思う自分もいた。


関係ないことだ。


けど何で司は明日香と一緒なんだ?
沙紀はどこに?



急に沙紀が心配になり始めた。
この二人の光景を見る前に教えてあげなきゃ。


俺は足早に教室を目指す。


今日は変な日だ。
いつもと何かが違う。
体がそう言っているのだから間違いない。



嫌な予感がしてたまらない。



どうして、この嫌な予感は当たってしまったのだろうか…。


天気予報はいつも外れるのに、こういうときだけは当たってしまうんだ。



教室に近づいていく。
その途中、大勢の女子が廊下に集まっていた。
俺は特に気にせずに、その横を通っていく。


その時、確かに聞こえた。


ある単語が。



それは…




《水島沙紀》




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